王座を失ったリチャードは祈ります、
王座を勝ち得たヘンリーを守りたまえ、
そして、輝かしい日々を送らせたまえ。
まだなすべきことはあるか?


頼む、ここにすぐ鏡をもってきてはくれまいか、
私がいまどのような顔をしておるか見たいのだ、
王の偉大さの破産した顔といやつをな。


これが、愚かな行いの数々に顔を貸し、
ついにはヘンリー・ボリングブルックに顔をつぶされた顔か?
はかない栄光が輝いておるな。・・・・・・


お前たちは二重に引き裂こうとする!
俺と王冠の仲と、俺と妻の仲を。

王妃

私たちは引き離されなければならないのですか?
ヨーク

ヘンリー四世の即位を祝っての御前試合は行われるのか?

オーマール

そのようです、父上、私の知りえたかぎりでは。
公爵夫人

この子をその仲間にはさせません、
ここに引きとめておきます。そうすればいいでしょう?

ヨーク

うるさい、愚か者め!
いくら俺の血を分けた大事な息子であっても、訴えずにはおかん。
公爵夫人

お聞きください、陛下。
どうか、私の息子オーマールを許すとおっしゃってください。

ヘンリー

お立ちなさい、叔母上。

公爵夫人

その前に、どうか許すと。


あの馬は、この手からよくパンを食ったものだ、
そうか。大地を蹴っておったか。
ヘンリー

たしかに私は彼の死を望んだ、だが殺した者は憎む。
愛するのは殺された者のほうだ。
黒衣

愛されるのは、あなたよりリチャードであると?
友ではない?友ではないと?
さあ、王たちの死の悲しい悲しい物語をしようではないか。
やめさせられた王、戦争で虐殺された王、
自分がやめさせた王の亡霊にとりつかれた王、
妻に毒殺された王の物語を。
みんな殺されたのだ・・・・・・みんな・・・・・。
王よ、さらば!
THE END